１１月２０日の日記「ぼくこども西へ」

少しだけ仕事に余裕がでてきたから、どこかに旅行へいこう。
去年は東京に行ったことだし今回は関西方面がいいなあ。

などとみきさんと話しはじめたのが１０月のはじめのことでした。

忙しさがピークの頃はヒマになったら海外行くぞっ！　絶景のヒマラヤだ！　長年の夢の南米だ！　憧れの英国だ！　などと現実逃避をしていたものですが、いざ時間ができてみるとなんとも近い目的地になってしまったものです。だって、ひなさんの幼稚園あるし。出不精だし。

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しかし例によって無計画な僕らのこと。何も決まらないままあれよあれよという間に日にちは流れ、カレンダーは１１月に。さすがに間に合わないと旅行社に走り、そこでの詳しい調整はこれも例によってみきさんに任せ、またまた例によって僕とひなさんが店内で遊んでいるうちにようやく関西巡業が具体化したのでした。

今回の旅行は一泊二日。タイトな日程の中で最大のターゲットは銀行みたいな名前の有名テーマパークです。何かお目当てがあるという訳ではありません。関西では他にどんな娯楽があるのか知らないからです（いばるな）。とりあえず一日はそこで過ごせるとして残りの一日はまるで予定がありません。

慌ててこのサイトの掲示板で関西方面のみなさんから情報を収集したところ、銀行みたいなテーマパークの近くの国内最大級水族館を勧めていただき、ではそのあたりに行きましょうと大まかに決めました。それにしても日本には国内最大級の水族館がいくつあるんだろう。名古屋でも三重でも沖縄でも横浜でもそれらしいところに行ったことがあるのだが。

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そうこうしている間に出発の日程が間近に迫ってきました。
ひなさんはといえば１週間前から朝起きるたびに「きょうはユニバーサルいくの？」とうるさいくらい聞いてきて、中に何があるのかまったく知らないクセに期待だけは無限大に膨らんでいるようで、いい感じで温まってます。

そして出発前夜。一人遊びをしながら突然、「シュワちゃん」とつぶやくひなさん。驚いて振り向くと、手にはウルトラマンの人形。なるほど「シュワッチ」って言うからシュワちゃんね。明日映画のテーマパークに行くことは理解していないはずですが、ひなさんは時々こんな風に妙な勘を働かせることがあります。

でもねひなさん、明日は本物のシュワちゃんに会えるんだよ！

「シュワちゃん？」

そう、アーノルド・シュワルツェネッガー。

「あーのるど・・・？」

シュワルツェネッガー。

「しゅわる・・・」

シュ・ワル・ツエ・ネッガー！

「しゅわるつえねがあ！」

そうそう！　アーノルドシュワルツエネッガー！

「あーのるど　しゅわる　つえねがあ！」

はははは！　そうだよ。アーノルドシュワルツェネッガー。

「あーのるど　しゅわる　つぇねがあ！！」

「ウオーター」を理解したヘレンとサリバン先生のような僕たち。明日に備えて早いとこ眠らにゃならんのに何やってんだか。しかし、これで明日に向けて予習は万全です。もちろんこの時点で目的のテーマパークにシュワちゃん関連のアトラクションがあるかどうかまったく確認は取れていなかった訳です。あるある。大丈夫。きっとある。

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こうして日曜日の朝、早朝の電車に乗って僕たちは一路、西へと向かったのです。

待っててね。シュワちゃん


つづく