８月１５日の日記「クリャリンコ」

欲張り！　　ワガママ！　 傍若無人！　　 よい子の敵！　赤い略奪魔！ 子ども番組界の嫌われ者！

ビデオの販促用チラシに並べられた心無いキャッチコピーの数々。
販売元からここまで口汚く罵られる子ども番組の主人公が歴史上いただろうか。

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しかし、そんなタコラに心を奪われてしまう人間はわが子（と、その親）だけではないらしい。ニーズのあるところにビジネスありの資本主義社会。

今から３年前にクレクレタコラ２６０話のうち現存する２５７話を完全収録したＤＶＤ−ＢＯＸが発売されていたのです。

定価29,400円（税込）

ほ、欲しい。
（賢明なみなさんはお気づきだと思いますが、例によってひなさんにかこつけて本人が欲しくてたまらなくなっています）

ねえ、みきさんＤＶＤ買ってもいい？　
定価３万円くらいするんだけど。

「そうねえ、本当に欲しいものだったら･･･」

ダメで元々と、おそるおそる聞いてみたのにあっさりＯＫ。一緒になって笑いながらタコラを観ていたとはいえ、ビデオは１００円のときにしか借りないくせに、こうゆう訳のわからない買い物をポンと許してくれる、みきさんの金銭感覚は時に神秘的ですらありますが、とりあえず今は感謝しましょう。

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こうして、僕たちはタコラを求めて旅をはじめたのです。
それが思わぬ長旅になるとも知らずに。

ネットでよくよく調べてみるとこのＢＯＸは初回限定生産のため現在は入手が非常に困難とのこと。最大手のネットショップで検索すると何と新品で４万円から５万円代で取引されているではないですか。

（参考）最大手のネット本屋さん

「それはムリ！」

ホラ、さすがのみきさんもすっかり冷静になってしまった。
それからもネットショップをくまなく探してみたけれど、
「品切れ」「入荷待ち」「版元にも在庫なし」
やっぱり見つからないタコラのＤＶＤ−ＢＯＸ。

ＤＶＤ、クレクレッ！
すでに自分自身がタコラになってしまっている自覚は十分。
こうなったら背に腹はかえられません。見知らぬ人とのお金や個人情報のやりとりが不安で、過去５年のネット生活では何となく敬遠していたネットオークションに最後の希望を託すことにしたのでし。

大手オークションサイトで「クレクレタコラ」を検索してみると、フィギュアやサントラＣＤなど２０件ほどがヒット。
その中にあったあったよ、ありました！　クレクレタコラのＤＶＤ！

「新品未開封。入手困難につき４万５千円」

だからムリだってば！
それでも中古でいいからと、定価に近い額でオークションに出されるのをじっと待つこと数週間。ようやく３万円でほぼ新品のＤＶＤが出品されました。何しろ初心者ですから勝手がわからず、とりあえず入札してドキドキと落札の時を待ちます。締め切り寸前に他からの入札があり、心臓が飛び出しそうになりましたが、なんとか再入札で落札。

その後の取引は順調に進み、２〜３日で待ちに待ったタコラが家にやってきたのです。

キタキタキタ〜♪

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早速、ディスクを取り出し再生スイッチオン！

クレクレクレ〜♪
流れはじめる例の素っ頓狂なテーマソング。ともに歌うひなさん。

●ミキサーの巻
保健所員に変装して「伝染病のおそれがある」と森の仲間を騙し、果物とミキサーを没収したタコラ。早速ジュースを作ろうとフルーツと一緒に調子にのって梅干まで投入してしまい。できたジュースは、う〜んしょっぱい〜。失敗〜。（おわり）

クレクレクレ〜♪

●スコップが欲しいの巻
財宝を掘り出すためにスコップが欲しいタコラ。森のトリオ怪獣を闇討ちしてスコップを奪い、いざお宝探し。でもようやく発見した宝箱の中身は「タコラのばか」と書かれた一枚の紙切れだけ。ああ、くたびれもうけ。（おわり）

クレクレクレ〜♪

●ふたりあわせて３０犯の巻
欲しがりすぎて刑務所入りしたタコラと相棒チョンボ。ようやく釈放されるや警官怪獣デブラを闇討ち。邪魔者を消したタコラ、マシンガンを手に略奪放題、し放題。目を覚ましたデブラと森の住人たちに返り討ちに遭って、結局もとの留置所へ。（おわり）

クレクレクレ〜♪

●タコラの独裁者の巻
いきなり大砲ぶっぱなし、不思議の森に独裁国家を樹立したタコラ。その理不尽な圧政に民衆が立ち上がりクーデターが勃発！　捕らえられ、処刑されようとしたその瞬間にタコラの目がさめた。ああ夢か。夢でも独裁者はこりごりだ〜。（おわり）

クレクレクレ〜♪

・・・ところでいつまで続くんだ、コレ。
え〜と、２５７話収録されていて一本が大体２分半として、

２５７本×２．５分＝６４２分

１０時間以上ですか！　
（正確には６８５分、１１時間２５分あるんだって）

４本組のＤＶＤ−ＢＯＸ、ひなさんと並んでいつも楽しく見始めるのだけどそこはそれ、昔の子ども番組。同じような話の繰り返しにいつの間にやら二人とも眠ってしまい、どこまで見たかわからない。次の機会には、おおよそのあたりをつけて途中から見始めるものの、アレ？　これは見た話かな？　

「ひなくんは、みてないよ」

そうか、じゃあココからスタートしよう、と続けて見てみるけれどやっぱり眠ってしまい、どこまで見たかわからない。

いつになったら全２５７話見終えることができるのでしょう。

そうこうしているうちにひなさん、だんだんタコラに洗脳されてきて、
「クレクレッ！」って言いながら、人のものを略奪する技を覚えてしまったのですけれど、幼稚園でやったりしないだろうな。テレビやアニメの影響を受けた子どもたちが悪い言葉や行動を覚えてしまうことが問題になったりしますが、ウチの子一人がこんな古いテレビ番組のまねしてるなんて、ちょっとヤです。

なんとかしてクリャリンコ。

〜 ちょうどその頃 〜



ひげおじさんの家では、

ドリフ全員集合のＤＶＤ−ＢＯＸを見ながら、
航ちゃんがヒゲダンスを踊っていたよ。