5月22日の日記「交渉人」

どうしても欲しくなってしまったDVDのソフトを探すため、最近増えてきた大型の古本店に3人で出かけました。そこには安いおもちゃのガレージセールのコーナーがあり、さっそくお気に入りの品を目ざとく見つけたひなさんがおねだりをはじめます。


「このパーシー、かって〜♪」

「ダメだよ。これはブロックの部品だから、これだけでは遊べないよ!」

と、反対するみきさん。確かにウチにはこのシリーズのブロックはないのでみきさんの言うことはごもっとも。500円という値段もホイホイと買って与えるには微妙な価格です。しかし最近妙な自我が芽生えてきて、反対されると意地になるひなさん。パーシーをしっかり胸に抱えたまま徹底抗戦のかまえです。

いつまでも二人の意地の張り合いに付き合っていても仕方がないので、絵本コーナーからウルトラマンの安い絵本(1冊100円)をもってきて妥協点を探ることにしました。


中古絵本コーナー

「ウルトラマンの絵本とパーシーどっちがいい?」
「パーシー!」
「じゃあ、ウルトラマンの絵本ふたつだったら?」
「パーシーがいいの!!」


愚かな幼児め。どう考えても他にパーツのないブロックのパーシーよりも、何度も読み返すことができるウルトラマン絵本の方が楽しいにきまってるじゃないか。しかも1冊がたったの100円だぞ(←これは大人の事情)。

ともあれ交渉は決裂。
ここで再度みきさんの出番です。



おふろでクレヨン


「ほら、これお風呂でお絵かきができるんだよ。これにしなよ!」

「イヤだ! パーシーがいいの!!」

400円という値段はさらに微妙ですが、そのおもちゃは何だか楽しそうです。なんとかその線で話をまとめてほしいものだ、と思いつつも、両者一歩も引く構えをみせない状況に飽きてきたのでとりあえず、ほんの少しの間だけマンガ本コーナーを見にいくことにしました。

その場を離れていたのはほんの2〜3分でしょうか? おもちゃコーナーに戻ると、みきさんもひなさんも何やら穏やかな雰囲気になっています。

「これ、買うことにした」
そう言ってみきさんが手にしていたおもちゃは、



なきちん


「これ、電池でブルブルってうごくんだよ」


「おはなしもするんだって」

ついさっきまで激しい攻防を繰り広げていた二人がそれぞれに満足した表情を浮かべていますけど、一体どんな交渉経過をたどればこんな結論に達することができるのか、想像することすらできません。

おふろクレヨンはどうなったんだ!?
パーシーはもういいのか?

結局、本来の目的だったDVDは見つけられず、心の中にモヤモヤとした思いを抱いたまま中古書店を後にしました。

帰宅するなり、待ってましたとばかりに箱があけられ電源を入れられた「なきちん」は、思ったほどしゃべらないし、どうゆうわけかブルブルしなかったこともあって、10分とたたないうちにひなさんに飽きられてしまいました。

所詮は特価200円の安いおもちゃだとは言え、もう少し遊んでくれたっていいのに。

何から何まで納得のいかないことばかり。
そのモヤモヤとした感情は、僕の心をさらに暗く覆っていくのでした。

 

 

          

 

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