4月9日の日記「ひな巣立つ」

鮮やかな青空を背景に、暖かい春の日差しの中でいっせいに咲き始めた桜の蕾。お天気の神様はひなさんの幼稚園入園式の日に、この上ない舞台を用意してくれました。


この日のためにみきさんはスーツを新調しました。

「○ャスコで1万円のコーナー探したけどいいのがなくて・・・」
というみきさんに、「せっかくだからちゃんとしたものを用意しなさい」と告げると、次の日、○ピタで少しだけ高いものを買ってきました。スマン、ひょっとして稼ぎが悪くて苦労をかけているのか?

 

僕は臨時休暇をもらいました。
このところ休みがなくひなさんと触れ合う時間がなかったので、出発までの時間に教育テレビのひろみちお兄さんの新番組に合わせて体を使った遊びに最初から最後までつきあっていたら、結構疲れました。

 

そして、3人ともそれぞれ新しいスーツや制服に着替え、いよいよ出発です。
ひなさんは今日から幼稚園児(ひまわり組)です。


園の入り口で二人目のお子さんが入園するという同僚に出会いました。
「ウチはひまわり組ですけど、何組ですか?」
「・・・さあ?」
さすが二人目ともなると余裕ですね。

小さな体育館で始まった入園式。子ども一人につき保護者ひとりしか着席できないということで、その場はみきさんに任せて後方から式の様子を見学しようと思っていたのですけど、ムリ! 冒頭の園長先生の挨拶からノーカット撮影を目指す舞い上がったお父さんたちが築く人垣のその高さ。


舞い上がりの壁

もともとここはこの近辺で一番大きな幼稚園です。たくさんの友だちや先生たちとすごすことで、いろいろな個性を受け入れ、関係をつくっていくことを自然に学んでほしいと考えてこの園を選びました。が、体育館からあふれ出すほどの園児とその親たち、改めてそのマンモス園ぶりを実感します。

もともと、人ごみは苦手なので(何が「いろいろな個性を受け入れて関係をつくる」だ)、どうしようかと思っていたら、窓の外に別の同僚の姿を見つけ、そのまま一緒に屋外から入園式の様子を眺めることにしました。すべて男児で三人目の入園式というその同僚はスーツを着ることもなく普段着で、さすが三人目ともなるとここまで落ち着ますか。


リラックス

さて、担任の先生の紹介やお歌のあと入園式はつつがなく終わり、いよいよひまわり組さんの教室に向かいます。途中、みきさんに式の間のひなさんの様子を聞くと、
「おとさん探して泣きそうになってたよ」

そうなんだ。このところ仕事であまり遊んであげられないせいか、一緒にいるときは抱っこをせがんだり、意味もなくぐずったりして必要以上に甘える傾向にある最近のひなさん。この晴れ舞台でもグダグダになりつつあるようです。


妙な踊りを披露中

しかも教室に移動するや、なまじっか僕が目に入る位置にいるもんだからグダグダは一層ひどくなっていきます。時おり楽しいお歌の時間になったりすると、呼ばれてもいないのにひょこひょこと前に出て行って妙な踊りを披露するなど、お調子者の片鱗を垣間見せるものの、振り返って僕の姿を見るたびに不安気な顔で「おとさん、おとさん」と、なってしまうのです。だから今日はどこにも行かないから安心してなって! などとやってる横で不意に小さな叫び声をあげるみきさん。

「あっ、ひなのパンツ!」
彼女が指差す先は教室の片隅のテーブル。その上に小さなパンツが無造作に放置されていました。いざという時のために入園式の前に担任の先生に渡しておくはずの替えパンツを、うっかりテーブルの上に忘れてしまったのだとか。キミもグダグダですか! こんなときなんだからしっかりしてください。


忘れられたパンツ

さて、そんなひなさん帰り際の記念写真を撮る段階になってそのグダグダが最高潮に達します。子どもと先生だけで撮影するという段取りだったので一人で壇上に立たせようとしたらもう号泣。見かねた担任の先生、「抱っこして一緒に映ってもいいですよ」とおっしゃっいますけどね、抱っこされてるのウチの子だけじゃないですか。

そのままひどい顔とポーズで撮影完了。やったな、ひなさん。一生モンのエピソードがまたできたよ。しかもオフィシャルの証拠写真つきだ。


入園式の思い出

「なあに、あっと言う間に成長していくから大丈夫ですよ」
と、にこやかに声をかけてくださったのは園長先生その人。ええ、心配はしてません。今の様子を見て、社会性を身につけるために園児数の多いこの園を選んだことが間違いでなかったと改めて思っていたところです。ええ。
・・・てゆか先生、ウチの子マークしたでしょう、今。

こうして、混乱のウチに終わったひなさんの入園式。
やはりひなさんなりに大変だったのでしょう。帰路、報告に立ち寄ったウチの実家でぐっすりと眠りこけてしまいました。その後、ひいばあちゃんちにも挨拶に行き、帰宅してテレビをつけたら、ひろみちお兄さんの新番組が再放送していたので、また最初から最後までつきあいました。疲れました。

で、一息つく間もなくみんなで着替えをすませて、愛知万博の会場に向かってしまう僕たち。久しぶりの休みだからって、そこまでぎっしり予定を組みこむんじゃない! 
人ごみ苦手なくせに、何て貧乏性なのでしょうか。

とりあえず夜までしっかり遊んであげるから、これからはじまる3年間の幼稚園生活を元気に過ごしていただきたいものです。

 

 

          

 

[PR]動画