4月9日の日記「ひな巣立つ」 鮮やかな青空を背景に、暖かい春の日差しの中でいっせいに咲き始めた桜の蕾。お天気の神様はひなさんの幼稚園入園式の日に、この上ない舞台を用意してくれました。
僕は臨時休暇をもらいました。
そして、3人ともそれぞれ新しいスーツや制服に着替え、いよいよ出発です。
小さな体育館で始まった入園式。子ども一人につき保護者ひとりしか着席できないということで、その場はみきさんに任せて後方から式の様子を見学しようと思っていたのですけど、ムリ! 冒頭の園長先生の挨拶からノーカット撮影を目指す舞い上がったお父さんたちが築く人垣のその高さ。
もともとここはこの近辺で一番大きな幼稚園です。たくさんの友だちや先生たちとすごすことで、いろいろな個性を受け入れ、関係をつくっていくことを自然に学んでほしいと考えてこの園を選びました。が、体育館からあふれ出すほどの園児とその親たち、改めてそのマンモス園ぶりを実感します。 もともと、人ごみは苦手なので(何が「いろいろな個性を受け入れて関係をつくる」だ)、どうしようかと思っていたら、窓の外に別の同僚の姿を見つけ、そのまま一緒に屋外から入園式の様子を眺めることにしました。すべて男児で三人目の入園式というその同僚はスーツを着ることもなく普段着で、さすが三人目ともなるとここまで落ち着ますか。
さて、担任の先生の紹介やお歌のあと入園式はつつがなく終わり、いよいよひまわり組さんの教室に向かいます。途中、みきさんに式の間のひなさんの様子を聞くと、 そうなんだ。このところ仕事であまり遊んであげられないせいか、一緒にいるときは抱っこをせがんだり、意味もなくぐずったりして必要以上に甘える傾向にある最近のひなさん。この晴れ舞台でもグダグダになりつつあるようです。
しかも教室に移動するや、なまじっか僕が目に入る位置にいるもんだからグダグダは一層ひどくなっていきます。時おり楽しいお歌の時間になったりすると、呼ばれてもいないのにひょこひょこと前に出て行って妙な踊りを披露するなど、お調子者の片鱗を垣間見せるものの、振り返って僕の姿を見るたびに不安気な顔で「おとさん、おとさん」と、なってしまうのです。だから今日はどこにも行かないから安心してなって! などとやってる横で不意に小さな叫び声をあげるみきさん。 「あっ、ひなのパンツ!」
さて、そんなひなさん帰り際の記念写真を撮る段階になってそのグダグダが最高潮に達します。子どもと先生だけで撮影するという段取りだったので一人で壇上に立たせようとしたらもう号泣。見かねた担任の先生、「抱っこして一緒に映ってもいいですよ」とおっしゃっいますけどね、抱っこされてるのウチの子だけじゃないですか。 そのままひどい顔とポーズで撮影完了。やったな、ひなさん。一生モンのエピソードがまたできたよ。しかもオフィシャルの証拠写真つきだ。
「なあに、あっと言う間に成長していくから大丈夫ですよ」 こうして、混乱のウチに終わったひなさんの入園式。 で、一息つく間もなくみんなで着替えをすませて、愛知万博の会場に向かってしまう僕たち。久しぶりの休みだからって、そこまでぎっしり予定を組みこむんじゃない! とりあえず夜までしっかり遊んであげるから、これからはじまる3年間の幼稚園生活を元気に過ごしていただきたいものです。
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