10月3日の日記 「メジャーリーガー」

以前、ひげおじさんちからつがいのカブトムシを預かったというお話しをしました。その後、彼らがどうなったかというと、実は9月のお二方とも我が家で天寿をまっとうしていたのでした。

狭い飼育箱の中の暮らしは不憫ではありましたけど、卵も産んで次の種を残すことができたのが救いだったと思うことにします。本来のオーナーである航ちゃんにはゴメン。来年、ちゃんとお返しするからね。

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カブトムシといえば伝説のカブトムシ名人ことウチの父ちゃん。その後も何度も山へでかけたものの、やはり収穫はゼロのまま。その間、「職場に飛び込んできたから」と、小さなクワガタ虫をくれましたが名人の反撃もここまで。そのまま屈辱のシーズンを終えることとなりました。大事に飼えば冬を越すというクワさん、カブ夫妻無き今も元気に暮らしています。


クワさん

 

そして、時は流れて秋
主のいなくなった飼育ボックス(居候のクワさんはいますが)。しかし、普段は目に触れることのない地面の下には次代を担う期待の若手たちがすくすくと育っていたのです。


ほら、こんなに。


「これがカブトムシの赤ちゃんだよ」と教えてあげると、これがあの立派な角をもったカブトムシになるまでの詳しいメカニズムなど到底理解はしていないと思われるものの、「あかちゃん、あかちゃん」とひなさん大喜びです。この小さな赤ちゃんが少しずつ大きくなって成虫に育っていくまでの様子を時間をかけて見つめていくという経験は、きっとひなさんの心に大きな財産として残っていくことでしょう。来年の夏、一匹でもたくさんの成虫を巣立たせることができるように、しっかりひなさんとお世話をしていきたいと思いました。

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そんなある日。元カブトムシ名人から僕の携帯に電話がありました。
「畑仕事してたら、土からカブトの幼虫が出てきた。欲しかったら取りに来い」
ウチにはもう卵から孵った幼虫たちもいるし、一瞬どうしたもんかなと思いましたが、ひなさんを思ってせっかく連絡くれたんだし、数が多い方が無事成虫に育つ確率も高まるだろうから、ありがたく頂く事にしました。

ところが、その畑にいた幼虫というのが・・・。

 



オー! メジャーリーガー!!

老いたりとはいえ、さすがはカブト虫名人。こんなところで世界レベルの底力を見せつけられるとは思いませんでした。ウチで生まれた幼虫さんとは同じ時期に生まれたはず。一体、どうしたらこんなに短期間でここまでデカく育つ事ができるでのしょう。しかも、このメジャーリーガーが10匹近くも一気にやってきたのです。まさに黒船伝来。

ここで、ウチでうまれた幼虫と、メジャーリーガーを見比べさせてひなさんに質問。

Q1 これは何でしょう?

A1「カブトムシの赤ちゃん」

Q2 では、これは何ですか?

A2 「カブトムシのママ」

ほら、ひなさんが間違えて覚えてしまった。

このままでは、ウチにある飼育ケースでは到底育てることはできません。急遽、メジャーリーガーたちのために近くのスーパーまで、水槽代わりの衣装ケースと飼育用の土を買いに走る事に。なにしろあの大きさです。飼育用の土も大量に必要です。

買い物をしながら、みきさんが。
「私たち、ブローカーみたいだね」とつぶやきました。なるほど。我ながら何か怪しい生き物を育て闇で売りさばく商売人のようです。天然のくせに時には的を射たことを言うじゃないか。


闇の飼育セット


「幼虫育て終わったら、玄関のスリッパこれにしまっとこうね」


この中に!? プラスチックのケースなんだから洗えば大丈夫というのがみきさんの言い分。その理屈はわからないでもないのですけど・・・。まあいいや。

さて、このように結構な投資をして飼育環境を整えたわけですから、メジャーリーガーのみなさんにはこのまま見たこともないようなでっかいカブトムシになっていただきたいですし、ウチで生まれたみなさんもメジャーリーガーに追いつき追い越せるよう、元気に育っていただきたいものです。

そして、飼育ケースに霧吹きをかけるというひなさんの仕事は来年の夏まで継続ということになったのです。

 

 

          

 

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