8月1日の日記「門前の小僧」 随分前の日記に、ドイツの子どもは親のひざの上で本を読んでもらう習慣があり、自然に本好きに育つ、というエピソードを紹介して、毎日ネットしている親を間近で見ているひなさんは、きっとパソコン好きに育つに違いない、と書いたことがあります。 その予想は思いのほか早く現実のものとなってしまいました。 相変わらず毎日夜が遅く、眠る直前まで思い切り遊んでやらないとかなり不機嫌になってしまうひなさん。欲求不満を怒りで表現するというのも、心が成長するための一つのステップなのでしょう。それはよいのですが、最近は帰宅時間が夜の10時くらいで、そこから夜半すぎまで、絵本読めだの、走るプラレールをいっしょに見学しろだの、ご飯は早く食べろだの、風呂にははいるなだの、とにかく注文の多い料理店。 ましてや、一人でパソコンに向かおうものなら、
予想通りひなさんは大喜びで、パソコンの画面に釘付けになっています。今では毎日帰宅するたびに、待ち構えていたひなさんが、 「パソコンして! トーマスみせて!」 とせがむようになりました。こうして僕はわが子をパソコン好きにすることに成功したのでした。 しかし、賢明なみなさんはもうお気づきの事と思いますが、ひなさんにパソコンを見せるという事は僕がパソコンする事ができないという事です。何ら問題は解決していないじゃないか。それどころか絵本やおもちゃで遊ばせておいて、隙をみてパソコンに向かうなんてこともできません。そのパソコンがおもちゃなのですから。確実に状況は悪化しています。 そんなある日、夕食を食べようとしているのに例によってパソコンをせがんでくるひなさん。ご飯を食べない訳にはいかないので、仕方がなくトーマス関連のサイトを開いて「好きにしなさい」とひなさんをパソコンの前に座らせておきました。 するとひなさん、器用にマウスを操っていろんなページに移動をはじめるではないですか。生まれてからほとんど毎日パソコンに向かっている親の姿を見ているうちに自然に操作を覚えてしまったのでしょう。最初は右クリックと左クリックの違いがわからずにイライラする場面もありましたが、それもすぐに克服していきます。 それでも、サイトの移動を重ねているうちに元に戻れなくなって飽きておしまい。という結末を予想していたのですが、なんとひなさん目的とは違うサイトに着くと、ブラウザの「戻る」ボタンを使って元のページに戻る技まで習得しているではないですか。
もちろんすべての操作を完璧にできるわけではなく、いつの間にか見知らぬ仏壇メーカーのサイトに迷いこんだり、間違えてバッテンマーク押して画面を消してしまったりして「コレチガウ!」と大騒ぎなんて事はしょっちゅうです。そこはそれ、2歳児ですから。 昨今、インターネットやパソコンと子どもとのかかわり方についていろいろな意見が飛び交っていますが、まあ、とりあえず今はあまり難しいことは考えずに、共通の趣味を見つけることができたんだと前向きに考えることにしています。そして、テレビやビデオを見るときに心がけているように、できるだけひなさんと会話をしながら一緒にパソコンライフを楽しんでいるのです。 いずれは、パソコンはコミュニケーションの道具であって、ネットの向こうには自分と同じように生身の人間がいるということを教えてあげようと思っています。そういう意味では同じ世代のお子さんを持つ人たちが遊びに来てくれて、時には直接顔を合わすこともできる子育てサイトをやっていてよかったなと思うのでした。
その1 その2 その3 その4 その5
こうしてみるとひなさんも普通の幼児だね(その5は置いといて)。
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