5月16日の日記「新しい表現」

俳句の世界に「自由律俳句」または「随句」と呼ばれる表現方法があるのをご存知でしょうか。言葉自体聞いたことがなくても、この手法を世に知らしめた山頭火や尾崎放哉の句が世代を超えて多くの人に愛されていることはご存知かと思います。

「うしろ姿のしぐれてゆくか」 山頭火
「咳をしても一人」      尾崎放哉

自然の風景や心象を瞬時に切り取り、世界最短と言われる詩形に凝縮したこれら先駆者の作品は、今も鮮烈な印象を我々に与えてくれます。

自由律俳句の歴史は比較的浅く、荻原井泉水という人がこの手法を提唱したのが明治末期のこと。季語にも字数にもとらわれることのないその自由な表現方法の出現は日本文学界にとって大きな事件であったことは想像に難くありません。

僕もホームページという表現する場を得ている者としては、こうした先駆者に負けぬよう、日々新しい表現方法を模索していこうと常々思っております(少し大げさです。本当はそんなに大それたことは考えてません)。

そんな訳で今回の日記では、ごく短い言葉とカーソルをのせることで切り替わる2枚の写真の組み合わせでひなさんの日常を切り取るという新しい表現手法を試みてみました。

それでは、どうぞ。

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吹いて飛ばすか
吸ってむせるか
紙一重
 
あっ! 足のうらだ!
 
あっ! 手のひらだ!
 

皿回し 現実はイメージと遠く、

 
水をかけている相手は先祖。
 
いいところまでいっても
つめが甘い親切心
 
しつけを守る 残さず食べる
 
割り箸を割ったくらいで誇らしげ。
 
満面の笑みを浮かべて ポカ。

 

■     ■     ■

 

いかがでしたでしょうか。

新しい表現や価値観は、評価を得るのに長い時間を要するのは往々にしてある事です。
今回の試みが、読んでくださった人の心に何も残さなかったとしても、それはさほど大きな問題ではないのです。

 

 

          

 

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