5月9日の日記「ルーツ」

今まで紹介する機会がありませんでしたが、みきさんのお父さんはとても朴訥とした温厚な人です。これまでの人生を振り返って、みきさんもあいさんもこれまでほとんど叱られたことがないと言います。何かというとすぐ怒るみきさんのお父さんだというのに。実に不思議です。

さて、この連休を利用して、そんなお義父さんを生んだ場所にそんなお義父さんを産んだ人(つまりひなさんのひいおばあちゃん)を訪ねる旅をしました。

お義父さんの故郷にでかけるのはひなさんも僕も初めて、みきさんも7年ぶりくらいなのだそうです。あいにくの雨の中、ホンダビデオ(ひなさん談)に乗って出発は早朝。日帰りの予定であいさんと航ちゃんも同行。にしやんはお仕事。がんばれ!

運転はみきさん。だってドライブにはあまり興味がないんだもの。ひなさんと一緒に後部座席に乗っていると慣れない車のせいか少々気分が悪くなってきたので、強引に眠ってしまうことにしました。そしてぐねぐねと曲がりくねった道を揺られること実に数時間。



目を覚ませばそこは信州
(の奥地)

いや、山の方とは聞いていましたが、試みに世界遺産への登録を申請したら認められてしまいそうな山奥ではないですか。なるほど、お義父さんの大らかな人格はこの土地で形成されたのだな。現地で出迎えてくださったお義父さんお兄さん(つまりみきさんの伯父さん)も、やはり実に穏やかそうな人で、信州にはきっと温厚な人しかいないのだと確信しました。何かというとすぐ怒るみきさんもここで幼少期を過ごせばよかったのに。

天気がよければこの雄大な自然の中で子どもたちを遊ばせることができたのでしょうが、何しろ土砂降りと言っいいほどの大雨。仕方なく室内で遊ばせるのですが、伯父さんの家は古い農家づくりの建物で一体いくつ部屋があるんだろうというくらい広く、ひなさんと航ちゃんは部屋から部屋へ走って転げて大喜びです。


Like a Rolling Stone.

みきさんのおばあさんは週に3日通っているデイサービスの日で、帰ってきたのは夕方でした。ぼくとひなさんは初顔合わせでもあるので、少々緊張しながらみきさんから紹介してもらうことにしました。

みき「おばあちゃん、みきです」

なにしろ7年ぶりですから、はじめは誰が来たのかという表情のおばあさんでしたがすぐに事情が分かった様子。90歳を超えてさすがに体には不自由な部分はあるけれど、受け答えはとてもしっかりしていらっしゃいました。

みき「こっちにいるのが……えーと………主人です」

主人って言うな、気持ちが悪い。 これまで一度もそんな風に呼んだことないクセに。と、心の中で思いながらもにっこり笑って「はじめまして」

みき「それで、こちらが・・・」

ひな「タロウです」

ひなさんはひなさんでサラリと真顔でウソ言わないの。おばあちゃんはウチがウルトラファミリーであること知らないんだから。 

あわててみきさんが「ひなたです、ひ・な・た!」と訂正すると、「最近はみんな変わった名前をつけるなあ」とおばあさんは言いました。

この日は日帰りの予定だったので、おばあさんにごあいさつしたらすぐに帰路につくつもりだったのですが、何となく帰りたくなさそうなお義父さんがモジモジしている内に晩ごはんの準備ができてしまい、採れたての信州の山菜の天ぷらをおいしくいただいていたら、結局とっぷりと日が暮れて夜の8時に出発することになってしまいました。

せっかくの休みに初対面の(しかも遠くの)親戚の人の家で気を使いながら一日を過ごすのかと思うと、出発前は正直すごく億劫に感じていました。でも、実際にはみきさんの伯父さん夫婦はとても気さくな方でリラックスした時間を過ごすことができたし、山菜もお米も漬物も何を食べても実においしいし、という訳で今度は天気のいい日にまた信州にでかけて大自然の中でひなさんを遊ばせてみようと、帰り道にみきさんが運転するホンダビデオの後部座席でしみじみと思ったのでした。

その日がきても運転はみきさんに任せることになると思いますが。

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《おまけ》

信州に行く前日は地元のお祭りの日。みきさんは去年と同様にご近所団体のみなさんとお蕎麦の模擬店を出していました。僕とひなさんはお客さんとして顔を出していたのですが、そのうち雨がふってきたので、とりあえず会場を後にしました。

でも、そのまま家に帰ってグダグダするのももったいない気がしたので、歌うことが好きなひなさんなら喜ぶだろうとの確信のもと、二人でカラオケBOXに行ってみました。

今のひなさんが歌う曲といったら、ウルトラヒーローの主題歌しかありません。とりあえずウルトラマンのうたをかけてみたら、まさに目論見どおりの歌いっぷり。1曲終わるごとに「つぎはセブン」「つぎはエース」と立て続けにリクエスト。結局、ウルトラ6兄弟の主題歌全曲をフルコーラスで、しかも2セットを1時間で歌いきったのでした。

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ひなさんリサイタル

実際には普通の童謡などもかけてみたのですが、こうした曲はひなさんの知っているバージョンとはアレンジが違うので、歌詞の字幕が読めないひなさんはお手上げです。で、結局ウルトラメドレー×2ということになったわけです。

帰り際、「たのしかったね。またいこうね」と大満足のひなさんでしたが、こんな機会を重ねていたら、さらにウルトラの深みにはまってしまい抜け出すことができなくなってしまうのではと、少し不安がよぎる休日ではありました。

 

 

          

 

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