4月18日の日記「タイトロープ」

車の調子が悪くなり、休日ごとにディーラー通いを続けていた1月のある日。ひなさんがあるテレビCMを見るたびに妙なことを言うようになりました。

それはクイーンの往年のヒット曲が流れるホンダの新型車のCM。とにかくこのCMが流れるたびに、

「これかう? これかうの?」と尋ねてくるのです。

やがて、街中でホンダ車のエンブレムを見るだけで

「ホンダ、ビデオ!」(ひなさんにはこう聞こえるらしい)
と、叫ぶようになったひなさん。実際のところ、その当時は別のメーカーの2列シート&スライドドア装備の車を本命と考えていましたので、ひなさんの謎の行動には首をかしげるばかりでした。

しかし、その後さまざまな紆余曲折を経て、やっぱり3列シート&スライドドアは譲れないというみきさんの意向をくんで最終的に選んだ車は結局…


ホンダビデオ
(ひなさん談)

決してひなさんの行動に引きずられたわけではありません。逆にひなさんには僕たちがこの車を選ぶという未来が見えていたと考えるのが自然でしょう(そうか?)。ひなさんはイリュージョニストであるだけでなく、予知能力を持つエスパーだったのです。
・・・という方向に話を膨らませるつもりはなくて、今回はあくまで車の事。

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3月上旬に契約を済ませ、あとは3月末から4月初めの納車を待つばかりとなったのですが、3月末になってもディーラーさんからの連絡はありません。そうこうしている間に元の車の調子はいよいよおかしく、「キリキリキリ」と謎の金属音が床下から響いてくるのはまだしも、時々エンジンルームから「ニャー!」と猫の鳴き声のような音がするのは一体どうしたことでしょう。仕事帰りに夜道を運転中、予告もなく車の中に猫の鳴き声が聞こえるのがどれほど恐ろしい事か、みなさんには想像できますか。

4月に入って納車の日取りが1週間後に決まったとの電話が入ってホッとしたのもつかの間。エンジンの異音はいよいよ大きくなり、オートマなのに頻繁にエンストするまでに状態は悪化。いつ限界が訪れるのかタイトロープのセブンデイズ。

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そして迎えた納車の日。3人で向かう車屋さんまではほんの3qほどの道のりだというのに、あっという間にエンジンが異常過熱しているらしく、プラスチックが溶けたような臭いが立ち込めはじめたのを感じながらふと前方を見ると、何とボンネットから白煙が噴出しているではないですか。

怖い! 真夜中の「ニャー」より具体的に怖いよ!

やっとの思いでお店にたどり着くと、「どうしたんですか!!」と、担当のお兄さんが中から飛び出してきました。どうもこうもありません。見てのとおりです。こんな車を下取ってくれるんだね。ありがとう! 今、やりきれない気持ちを抱いているかもしれないが、契約は契約だからね。

それにしても、7年近く乗ってきた元の車を手放す瞬間はもっと感傷的になるのかと思いましたが、それどころではありませんでした。これから天国で僕たちを見守っていてくださいね。

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そして、こんにちはホンダビデオ!(ひなさん談)

     

キミとは前の車以上に長い付き合いになりそうだ。基本的に僕たちは出不精なので申し訳ないが、出不精なりに色んなところにでかけて、たくさんの思い出をつくろうじゃないか。

前の車は7年で4万キロしか走ってないけど(それでもボロボロになってたけど)、とりあえず1年で1万キロを目標に頑張ろうと思っているので、これからヨロシクね。

 

          

 

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