2月22日の日記「日刊 先週の話」

実験的に1週間の毎日更新をしてみたのが先々週。継続しようか、どうしようか考えた結果、予定通り通常営業に戻したのですが、先週は日刊更新にちょうどいいくらいの小ネタがいっぱいの日々で、それもなんだかもったいない気がしたので、今週は再び日刊でお送りすることにします。

せっかくの日刊更新なのにネタは先週の話。そのあたりに若干の矛盾を感じつつ。

先週の日曜日の話

先月でかけた隣町のハウジングセンターに、またウルトラヒーローがやってきました。前回は平成シリーズのでしたが、今回はひなさんが愛してやまない初代マンやセブンをはじめ、7大ヒーローが勢ぞろいという触れ込み。残念ながらこの日は僕が仕事だったので、みきさんの方のおじいちゃんが連れて行ってくれることになりました。

で、その日の夕方。会場で配られていたというウルトラマンのサインを見せてもらうと、そこにはカタカナで「ウルトラマン」と書いてありました。まあ、別にいいけどさ。そのあと、みきさんが撮った写真をみながら、「ひなさん、いいなあ! セブンと握手して!」と、大げさにうらやましがってあげたら、「ひなくん、セブンとあくしゅしたの。マンと、あくしゅしたの。タロウと、あくしゅしたの…」と、かなりしつこく自慢されました。ちょっといやな性格かも知れません、この子ども。

先週の月曜日の話

実家から、意地悪でおなじみのウチの姉ちゃんがテレビに映ると連絡が入ったので、みきさんに録画しておいてもらって夜中に見てみたら、なるほど見慣れた顔が関口宏の後ろで芸人たちが繰り広げるゲームを観覧しておるじゃないですか。聞くところによると、観覧希望の抽選に当たったとのこと。
思えばくじ運は抜群の姉ちゃん。姪はふたりとも「おかあさんといっしょ」に出演経験があるし、あの競争率の高い「紅白歌合戦」の入場券にも当選したことがあります。懸賞が当たるのは日常茶飯事で、初めて買った新車のナンバーは希望してないのに「77-77」。ついでに、同じ時期に知り合った旦那さんの誕生日は「7月7日」という人です。狙って外したのは、○ッキーの初公判の傍聴券くらい。そんな姉ちゃんだから、スタジオのど真ん中、最前列の席を陣取るなんて朝飯前だったのでしょう。
それにしても、そんな特等席に座っていながら、CM明けには観客全員がADさんの指示に従って大きな拍手をするというお約束を守らず、ただひとり泰然自若としている姉ちゃんは、やっぱり只者ではないと思わずにはいられませんでした。


先週の火曜日の話

この日、ひなさんが突然思いついた遊び。

「ごはんだよ〜!」と周りにいる大人を呼ぶ。
ごはんとは何か? ひなさんのそばに行くと、
「はい、たべて」
と、食べ物らしきものをくれる(フリをする)。
せっかくなのでこちらもモグモグモグと食べるフリ。
「ああ、おいしい。ひなさん、コレは何?」
うどん。これもたべて」
「モグモグモグ。う〜ん、おいしい。コレは何?」
こんにゃく。はい、たべて」
「パクパクパク。これは?」
こんにゃく。これも、たべて」
「・・・何?」
「うどん」


その後1週間、さらに進化するひなさんのごはんごっこ。黒い板がテーブル、タンバリンはお皿。左の鳥のおもちゃはポットと、小道具も充実してきましたが、メニューは相変わらず、うどんとこんにゃくだ。

「ウチでうどんとコンニャクしか食べさせてないみたいじゃないの!」 
と、みきさんが不満そうにしていましたとさ。

*  *  *

こんな調子で毎晩深夜まで遊び続けるひなさんに、この夜みきさんが少し強い口調で注意したら、急に元気がなくなりしょんぼりするひなさん。さすがに叱られて落ち込んでいるのかと思いきや、なんだかぐったりしてるし、どうも様子がおかしいので熱を測ったら38度もありました。ついさっきまで飛び回っていたのに、本当に子どもは油断できない生き物ですね。


先週の水曜日の話

きっかけは、ひなさんが外を歩きはじめた頃のこと。まだ慣れない階段を懸命に登るひなさんを「がんばれ! がんばれ!」と励ましているうちに、ひなさん自身、踏ん張りどころになると「がんばれ。がんばれ」と、自らを鼓舞するようになりました。まあ、2歳児の踏ん張りどころなんて、大きなおもちゃを運ぶときとか、坂道を登るときくらいのモンですが。

*   *   *

さて、前の晩に急な発熱に見舞われたひなさん、朝からみきさんがかかりつけのお医者さんに連れて行きました。相変わらず病院は大っ嫌いで、この日も診察室に入るなり「おうちかえる! おうちかえるの!」大号泣。お医者さんは冷静に「終わったらお家かえれるよ」と言いながらひなさんをベッドに固定して、インフルエンザの検査のために無理やり鼻に綿棒を突っ込みます。やれやれ、どうなることかとみきさんが診察のようすを見守っていると、ひなさんが何かをつぶやいていることに気がつきました。

「・・・がんばれっ、がんばれっ、がんばれっ・・・」

これが終わったらおうちに帰ることができる。鼻に綿棒を挿されながら、その事だけを心のささえにひなさんは自らを励まし続けたのでしょう。検査の間、笑いをこらえながらひなさんを取り押さえていた看護婦さんが、診察のあと「よくがんばったね」と、特別にけろっぴのシールを1シートくれたのが、2歳児の健気ながんばりに対するせめてもの報酬となりました。

診察の結果、インフルエンザではないことがわかったひなさん。あっという間に熱も下がって、家に帰ったときにはすっかり元気になっていたそうです。とりあえず、がんばった甲斐があったということにしておいてあげようと思います。


先週の木曜日の話

今よりも小さい頃から、夜眠るときに添い寝する人の耳をいじるという変なクセがあったひなさん。その感触が妙に落ち着くのか、最近では昼間おきている間にも周りにいる人の耳を触りにくるようになってしまったのですが、耳に手をのばす前には

「みみ、さわっていい?」

と、あらかじめ断りを入れるのがひなさんなりの作法のようです。いつものワガママぶりとは打って変わった礼儀よさには何か訳でもあるのでしょうか。

で、この日の夜。例によって深夜まで大暴れのひなさんを寝かしつけるために、電気を消して眠ったフリをしておりました。独り言を言ったり、歌ったりして遊んでいたひなさんですが、少し眠くなったのか「さわっていい?」と、僕の耳に手を伸ばしてきて、いつものようにしばらくいじくりまわしておりました。しかし、今ひとつ眠気がこないらしく退屈そうにしていると思ったら、突然…。

「みみ、たべていい?」

えっ! 食べる? 何? 食べるって。あっ! 

…かじられました。左耳。でもここで寝たふりをやめたらひなさんはきっと元気を取り戻してしまいます。やむを得ず息を殺して耐えておりますと、「こっちも」と、今度は右耳をかじられました。ひなさんの吐息で生温かい右耳と、ひなさんの唾液でぬれてスースーする左耳。とりあえずそれで満足したのか、耳から口を離すとひなさんは眠りについていきました。

かじるといっても、ちょっぴり歯を立てるくらいの程度だったのが不幸中の幸い。ひなさんも最低限の常識は身に付けているようです。朝起きて鏡に映った耳のない自分の姿に、ゾーっとして体が青くなるような事態にならなくて、本当によかったです。


先週の金曜日の話

ウルトラマンブームが止まらないひなさん。今の宝物はあいさんがプレゼントしてくれたウルトラマンと、セブンに出てくるロボット、キングジョーの人形。あいさんはこれをリサイクルのおもちゃ屋さんで買ったそうです。さすがやりくり上手。それと、みきさんが買ったウルトラマンタロウの小さなフィギア。みきさんはこれをゲーセンのガチャガチャでゲットしたのです。さすが行き当たりばったり。

それはともかく最近のひなさん、この人形たちとはいつもいつでもいっしょ。おでかけもいっしょ。お風呂もいっしょ。おやつのバナナを食べているときも「タロウもたべる」と、タロウの口にバナナをぐりぐり。「・・・食べないねえ」って、そりゃそうだよねえ。

この日の夜は、「みみさわっていい?」と断ってからウルトラマンの耳をいじっておりました。なぜ、耳に関してはそこまで律儀なんだひなさん。相変わらず謎の多い幼児ではあります。


先週の土曜日の話

結局この日もウルトラマンの話。
少し前に関西制作のテレビ番組の中で、大阪の人に向かって指で「バーン」と鉄砲を撃つマネをすると、必ず死んでくれる(正確にはやられたフリをしてくれる)というのがありましたが、ウルトラマンに夢中の毎日を過ごしているひなさんに向かって、「ピーッ!」とビームを撃つマネをすると「わあ! やられたあぁ〜!」と大げさなリアクションしてくれます。どうやら、ひなさんウルトラマンより怪獣の方に感情移入しているようですね。それにしてもあんた、いつの間に大阪人になったんだよ。

さて、そんなひなさんの様子を見ていたのが、たまたま遊びにきていたみきさんの方のおじいちゃん。かわいい孫のために、クレヨンと色鉛筆でウルトラマンを描いてくれましたよ。

 







方向性としては正しいのに、
なぜだか僕たちの知っているウルトラマンとは
違うものに見えてしまうのは気のせいでしょうか?
ちなみに横にいるコウモリのようなキャラは
おそらくおじいちゃんのオリジナル怪獣です。






アボリジニに伝わる土地の精霊の像

この絵にはこのようなキャプションがついていた方がしっくりくるようにも感じるのですが、いかがでしょうかね(アボリジニの部分はネイティブアメリカンやパプアニューギニアなどと言い換えることが可能です)。日ごろから陶芸をたしみ美術的な素養のあふれるおじいちゃん。孫のためのお絵かきにも、強烈な作家性を発揮してくださいました。ぜひまたオリジナリティあふれる作品をひなさんに残してほしいものです。

 

いやあ、先週はいろんなことがありました。
それにしてもショート日記での毎日更新、前回は気軽な感じがしてたのに、慣れてくるとだんだん文章が長くなってしまう悪い癖が・・・。結局いつもよりかなり大変でしたよ。

まあ、いろんなやり方をこれからも考えてみようと思います。


 

          

 

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