10月12日「上達」

子どもは大人に絵を描いてもらうのが大好きですね。
ひなさんもときどき、4月に買ってあげたお絵かきボードに絵をせがんでくるので、アニメのキャラクターや、動物を描いてあげると大変喜んでくれます。僕はもともと小さい頃から絵が好きなので平気なのですが、世の中には絵が苦手なのに、子どものリクエストに応えようと、苦労しているお父さんやお母さんも多いのでしょうね。今回の日記はそんなお話です。

*      *      *

話は今年のゴールデンウイークにさかのぼります。
みきさんのお義母さんにひなさんと遊んでもらっていたときのこと。紙とペンをひなさんに与えて、自由に絵を描かせていたお義母さん、

「よし、今度はおばあちゃんの番!」

と、ひなさんからペンを受け取って何やら絵を描き始めます。うちの母親の趣味である絵手紙の話題になると、「私は本当に絵はだめだから・・・」と言っていたはずなのに。

「ど〜らえもん〜♪ ど〜らえもん〜♪」

口ずさむ歌で、何を描いているのかを容易に想像することができます。そのようすを見つめるひなさんの反応も上々のようす。

「じゃあ、次ね。あ〜んぱ〜んマ〜ン♪」

うむ、何を描いているのか、実によくわかるね。

「しょ〜くぱ〜んマ〜ン♪」

いや、そんな歌はないはずですが。
絵がどんな風に仕上がっているのか、とても気になりましたが、おばあちゃんと孫の楽しい時間を邪魔してはいけません。しばらく時間をおいて、描き終わった絵をそっと覗いてみました。

 

 


ど〜らえもん〜♪

 


あ〜んぱ〜んマ〜ン♪

 


杉浦直樹〜♪
(もしくは角野卓造〜♪)

 

 

失礼ながら思わず爆笑してしまいましたが、孫のために一生懸命、思い切りよく描いてくださったお義母さんの絵は、実に温かい味わいのあるいい作品になっていると、お世辞抜きに思います。いや、本当に。

突然ですがここでクイズの時間です。
お義母さんが描いた上の3つのキャラクターには、ある共通点があります。それは一体なんでしょうか? 答えはこの日記の一番最後で!

 

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それから半年。先日、みんなで焼肉屋さんに行ったときのこと。
目を離すと焼けた肉に手をのばそうとするひなさんの気を鉄板からそらすために、備え付けのお客様アンケートの用紙の裏にお義母さんが描いてくれた絵です。


あ〜んぱ〜んマ〜ン♪

すごいや、お義母さん! たった半年の間に大変な進歩じゃないですか! 鼻とほっぺたの四角いテカりまで、カンペキです!

「じゃあ、次はバイキンマンね」

 

なんと! この上バイキンマンまで!? たった半年の間に絵を描くことが大の苦手だったお義母さんは、ひなさんへの愛情をエネルギーとして、立派なイラストレーターに進化を遂げたようです。

 


バ〜イキ〜ンマ〜ン

確かにバイキンマンの頭には角のようなものがありますが、もっと小さくて数も2本だったような・・・。

それでも、ひなさんにこの絵をみせると、ちゃんと「バイキンマン」と言いますから、2人の間にはこの絵を通して通じ合うものが確かにあるようです。そして、半年でアンパンマンをものにしたお義母さんのことです。カンペキなバイキンマンを描くことができる日もそう遠くはないはずです。

 

突然クイズのこたえ
3つのキャラクターにはすべてが描かれている(杉浦には食パンの耳があるよ)。

 

 

          

 

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