9月14日の日記「番外編:東京デート」 事のおこりは、一通のメールでした。 「突然ですが、確か明日東京出張でしたよね?
ネットで知り合った方と直接顔をあわせるとなると、沖縄旅行でのKさんに続いて2回目になります。でも、沖縄では家族ぐるみの対面だったけれど、今回はOさんにはお子さんがいなくて、こちらも仕事で単身という状況。年頃の男女が1対1で待ち合わせるという行為を、世間一般ではデートというのではないでしょうか。デート。なんて懐かしい響きなのでしょうか。 ■ ■ ■ しかし、メールを読んだのは、出張前日の深夜。返事は翌日携帯から送ることとして、アドレスをメモ。いただいたメールをみきさんに見られないように個人用フォルダーに速攻で隠してしまった自分の心理を自己分析すると、都会の若い奥さんからの誘いに少々舞い上がっている心を気取られないようにするために違いありません。 それでも翌朝には冷静になって、新幹線から東京滞在中は自由時間がほとんどなく、そのまま日帰りすることになると思う、とメールで伝えました。Oさんからも「また今度、家族そろってお会いしましょう」と返事をいただきました。 残念だけど、今回は仕方がないね。 ■ ■ ■ 9月だというのに真夏のような暑さの中、仕事がひと段落したのは夕方の5時。予想よりも少し早い終了。7時くらいの新幹線に乗るとして、状況によっては顔をあわせることくらいはできるかも、と東京駅に向かう電車の中から取り急ぎOさんにメールを送ってみました。 「今、仕事終わりました。1時間くらいなら時間とれるかも」 しかし慌てていたものですから、差出人の名前を書き入れるのを忘れてしまいました。なにしろこの内容です。よくある迷惑メールと思われても仕方がありません。失敗に落ち込んだ挙句に渋谷と間違えて一駅早く電車を降りてしまった恵比寿駅。
どうしようか、と途方にくれかけたときOさんからのメールが入りました。何とOさんの家は恵比寿に近いとのこと。そこで携帯の番号を教えあい、15分後にアトレ恵比寿というビルで待ち合わせをすることになってのです。
なんだ、ここはひなさんが生まれる前、みきさんと2人で東京に遊びにきたときに、天ぷら食べたビルじゃないか、などと思いながらしばらく店内を散策していると、携帯電話の着メロが鳴り出します。発信者はみきさん。何か虫の知らせでもあったのでしょうか。 「仕事終わった? 何してるの?」 「まだ、東京。これから人と会うから、帰りは遅くなるよ」って、仕事の用事が残っているとも解釈できる曖昧な返事で、この後に及んでもOさんに会うって事はナイショです。いや、家に帰ったらきちんと話をしますから。 Oさんからの電話が鳴ったのは、その後しばらくしてから。 「恵比寿につきました。今どこにいますか?」 シンガーとしてステージに立つこともあるというOさんの澄んだ声。そして、携帯電話を手にしたまま、指定した場所にやってきたOさんは声のイメージどおりの方でした。場所をアトレの中の「LEAVES cafe」という洒落たカフェに場所を移し、そこでようやく 「はじめまして」
とは言っても、思えば1年近く掲示板やチャットでお話をしてきた間柄です。緊張感はすぐに消え去り、このサイトに初めてやってきたときの事、掲示板でのいろいろな思い出、他の常連さんの近況など、ほんの短い時間にたくさんの話をしました。Oさんは日記やギャラリーに掲載したひなさんのエピソードを、ひとつひとつ、とてもよく憶えていてくだっていて、このサイトを本当に温かく見守っていてくださるのだと実感しました。 ■ ■ ■ 楽しい時間はあっと言う間に過ぎるもの。Oさんからお土産にとフランスフィガロ誌でも絶賛されたという「メゾンカイザー」のクロワッサンをお土産にいただいて家路につきました。くたびれたサラリーマンで満席の新幹線に乗って家に帰ったのは夜の11時半すぎ。そこではじめてみきさんにOさんに会ったことを伝えました。 その時は「へえ、どうだった?」くらいの反応だったのですが、先ほどこの日記を見せて1日の出来事や心の動きを詳細に報告したところ「だまされてた!」と、少々憤っておられました。 今回はナイショで舞い上がっていた事に対するみきさんへの懺悔の日記だったのです。ごめんよ。今度はみんなでOさんに会いにいこうね。
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