4月19日の日記「お祝い」

今日、4月19日はみきさんの誕生日です。

今から何年か前、つきあいはじめて最初に迎えたこの日には、みきさんをびっくりさせようと張り切って、知り合いの農園に忍び込んで、泥だらけになって車の後部座席一杯の菜の花を摘んで、「菜の花畑をプレゼント」という、若気が至りまくった企画を実行したりしたものです。


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おかげで車の中は花粉でまっ黄色になったし、冷静になって考えると実に恥ずかしいイベントですが、あれはあれでお金が一銭もかからないいいアイデアだったのではないかと自分を納得させようとする今日この頃です。

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その後、このような記念日関係がすっかりあっさり風味になってしまったのは、結婚1周年の鉢植えの花を1週間でカビさせたりするみきさんのせいですが、去年のみきさんの誕生日は久しぶりに少し違いました。

誕生日をおよそ1か月後に控えた3月のある晩、突然傍らに寄り添ってきたみきさん。しばしの沈黙のあとポツリと言いいました。

「ねえ、誕生日に『ゲームキューブ』と『ピクミン』買ってくれる?」

みきさんは本当にモノを欲しがらない人なので、こんな風におねだりをしてくるのはよっぽどの事です。「ハイハイ」と気の無いそぶりの返事は演出さ! ゲームの事には極力触れずに1か月を過ごして迎えた4月19日、仕事を終えるや、おもちゃ屋さんに走り、みきさんの好きなオレンジ色の「ゲームキューブ」と「ピクミン」をゲット。そーっと鍵を開けて、居間でくつろぐみきさんの目の前にいきなり、ハイ、プレゼント!!

「・・・何それ? ゲームキューブ買ってきたの? なんで?」

あれ? 期待していた驚き喜ぶ姿とは程遠い薄いリアクションに少々拍子抜けしながらも、まあそれなりに2人でゲームを楽しみはじめたものの、「私どちらかというと他のゲームの方がよかったな」とか、「私の誕生日にかこつけて自分の欲しいゲーム買ったんじゃないの?」とか言われた日にはさすがに黙っていられません。自分でキューブとピクミン欲しいって言ったんじゃないか!

「・・・私、そんな事言ってないよ」

この時点でようやく、みきさんのおねだりはとてもはっきりした寝言であった事が判明したのでした。あれから1年ピクミンはまだエンディングにたどり着けていません。

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そんな事もあって今年のみきさんの誕生日は、何もなしと早々に宣言するに至りました。当日は、みきさんのお母さんたちと一緒に、口は悪いが腕は確かな親父が仕切る炉ばた焼き屋さんでカンパイ。


最近乾杯を覚えました。
ちゃんと「パンパ〜イ」と言います。


一気飲み。

うむ、実にわが家の家風にぴったりな記念日の過ごし方じゃないか!

 

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でもね、やっぱりケーキくらいは欲しかろう、と思って買いに走ってたのですよ。 タダでさえ男子一人でケーキ屋さんに行くのは相当に照れくさいのに、店員さんからの「お誕生日用ですか?」という質問に狼狽して「は、はい」と答えてしまったばっかりに、

「お名前はなんて入れますか?」

「・・・・・・み、みきさんでお願いします」
「ろうそくは何本いりますか?」
「・・・・・・・・・」
「太いのと細いのを組み合わせてもいいですよ」
「・・・・・・・・・」

などといういたたまれない問答をする羽目になるという試練を乗り越えて用意した、丸くてイチゴがいっぱいのったケーキをみんなで美味しくいただきましたとさ。

 

 

          

 

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