3月17日の日記「RUNNER」


目的地もわからないまま

幼児はひげおじさんの運転に身を任せた

長い旅路の果てにたどり着いたのは

山あいの温泉地に佇む瀟洒なホテル

やがてシートのロックが外され

大地に足をつけた瞬間

抑圧されたエネルギーを解き放つように

幼児は・・・走り始めた!

 

女湯潜入には

失敗したが

風呂場を

走る

レストランを

駆け抜けて

ちょっと
一休み
土産物屋を

ロビーを

そして

ヒゲの横を

外に飛び出し

連れ戻されても

幼児は・・・
走り続けるのだ

おかげで帰りの車の中では

ぐっすり眠ってしまいましたとさ。

 

(おしまい)

 

 

          

 

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