1月12日の日記「さんぽ」 うちの実家ですごす、冬の日の午後。 残された僕とひなくんは特に何もすることがなく、部屋にいても一歳児の悪戯にやきもきするだけだし、外はポカポカと暖かな陽気だし、ってことで二人で近所の公園に散歩に行くことにしました。 そこは小さな頃に僕がみんなと遊んだ公園。中央に半球形のコンクリート製の遊具があり、その形がてんとう虫に似ていることから僕たちはここを「てんとう虫公園」という愛称で呼んでいました。
久しぶりのてんとう虫はすっかり色が褪せ、時間の流れを感じさせます。4歳で引越して来たたばかりのころは真新しい新興住宅地だったこの界隈も、最近は子どもが少なくなっているそうです。歓声にあふれていたこの公園は穏やかな青空の下だというのに、遊びに来ている人ひとりいません。 しかしひなくん、せっかくの貸切状態の広場を駆け回るでもなく、いきなり地面に座りこんで砂利をいじりだすので注意しなければいけません。ひなくんは今、手に触れるものすべてとりあえず口に入れるからね。
ひなくんと二人、のんびりと公園の中を歩いて回ると、ベンチの上に誰が集めたのかドングリや松ぼっくりなどの木の実がたくさん乗せられていました。
今もまだこの公園で遊ぶ子どもがいるという痕跡を見つけることができ、少しホッとしている横で、
何だかわからないものを とりあえず食うな!
何度注意してもモノを口に入れることをやめないひなくん。その様子を見ているうちに、子どもが落ちているものを食いたがるのは、体内の免疫力を高めようとする動物としての本能がそうさせているような気がしてきました。 これまでは、あまり外に連れて行くこともなかったひなくんですが、できるだけ散歩に出かけていろいろなものに触れさせてやろうと思いました。 だけど、やっぱり目の前で得体の知れないものを食うのはやめてくれ。
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