11月17日の日記「試練」

オシャレでスタイリッシュなひでちゃんのお家は駄菓子屋さん。
お店を切り盛りするのはひでちゃんの貞子おばあちゃんです。駄菓子屋さんのおばちゃんのイメージどおりの優しい方で、ひなくんが生まれる前から、
「ひでちゃんがお世話になってるから」(そんなことないんですけど)
と、いつもいつもお菓子やフルーツを下さいます。本当にいつもありがとうございます。

ひなくんが生まれてからは、実のひ孫のようなかわいがりよう。この夏、ひなくんは貞子おばあちゃんから何度大好物のスイカをいただいたでしょうか。


やさしい貞子おばあちゃん

ところがひなくん、
何故か・・・
何故か泣いてしまうんです
貞子おばあちゃんが抱っこしようとすると。
しかも毎回。

若い頃は幼稚園の先生。その後現在に至るまで駄菓子屋さんの看板を守り続けてきた貞子おばあちゃん。彼女の人生は常に子どもたちと共にあったと言っても過言ではありません。そんなおばあちゃんの重く、切ない、嘆息が心につき刺さります。

こんな風に子どもに泣かれたのは初めてだわ・・・」

違うんです。ひなくんは、うちの米寿のひいばあちゃんを見ても泣くのです。貞子おばあちゃんのせいじゃありません。すべての高齢の女性が苦手なだけなのです。このままではいけない。やさしい貞子おばあちゃんのためにも一日も早く弱点を克服しなければ!

獅子はわが子を千尋の谷に落とすといいます。
僕も心を鬼にしてひなくんに試練の舞台を用意することにしました。
それは・・・。



地域の老人交流サロン


おばあちゃんの迷宮に
迷い込んでしまったひなくん

そう、これはショック療法。おばあさんが平気になるか、逆に深い心の傷を刻むことになるのか。これは賭けです。

しかし、この日の老人交流サロンのメニューは手工芸。参加したお年寄りのみなさんは、ひなくんには、目もくれず作品づくりに熱中しています。

一方のひなくんもマイペース。ひとりで会場内を歩き回ります。初めての場所が珍しく、楽しくて仕方がないようです。

こうして、ほとんどお年寄りたちとの絡みのないまま、交流会は終わりました。せっかく有給休暇とってまで連れてきたのに!

それにしても、ひなくん。お年寄り平気そうじゃないの。そうか、最後にひでちゃんちに行ってからもう2か月近く経つからね。その間に成長したんだね。

ようし、今度ひでちゃんちに遊びに行くときは、思いっきり抱っこしてもらおう。


待っててね貞子おばあちゃん!

 

《追記》
この日の交流会、最後にみんなで合唱をするコーナーがありました。選曲は平井堅の「大きな古時計」。「最近流行の癒し系の歌ですよ。さあ、みんなで歌いましょう!」と、ボランティアのみなさんが元気に歌い始めたのですが、案の定3コーラス目でどうしようもなくやるせない空気が会場を包んでしまいましたとさ。
「てんごぉ〜くへ のぉ〜ぼる おじいさん♪」
やっぱり、まずいでしょうこの選曲は。

 

 

          

 

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